大人向けのクラウン

軽自動車事業は、ダイハツ工業の主力事業であり、連結営業利益の30%強が軽自動車事業に起因すると筆者は分析しています。
「スズキ・ダイハツ戦争」という言葉に端的に表れているように、国内軽自動車市場では激しいシェア争いが繰り広げられています。
市場シェアの30%前後を持つ2大メーカーがトップを争い対峙しているという消費市場はあまり例がないのではないでしょうか。
ダイハツ工業は「軽自動車トップシェア、30%」の目標を掲げ、スズキと販売台数を巡る争いを繰り広げています。
スズキ、ダイハツ工業ともに、見せかけのトップシェアではなく、収益性と長期的な成長力を重視する経営姿勢を顕著にさせています。
近年のダイハツ工業の収益体質強化と収益成長は、トヨタ自動車との協業関係が重要なドライバーとなってきました。
国内工場での受託車輛の生産拡大に加え、インドネシア、マレーシアでもトヨタ自動車との共同開発事業の受託生産拡大が続いています。
ダイハツ工業は、トヨタ自動車の要求する世界で最も厳しいコスト・品質基準に見合うような車種開発能力と生産性を身につけたと言えます。
収益面へのインパクトも大きく、連結収益の20%強はトヨタ関連事業が生み出していると考えられます。
大分工場の第2期拡張(追加10万台)を2009年に向けて進めることになります。
欧州や南米向けに、ダイハツ・ブランドの小型車事業を拡大させることが重要な成長課題であり、大分第2期拡張はその戦略を支える重要な最新鋭生産基盤となります。
インドネシア事業は、ダイハツ工業のアジア戦略の要となります。
1992年にアストラ・ダイハツ・モーター(ADM)を設立し、現地での車両生産を開始しました。
20%たった出資比率は98年に40%、2002年に61.75%の過半数へ拡大させています。
ADMの生産規模は、トヨタ自動車との共同プロジェクトを通じ、近年では飛躍的な成長を遂げています。
2008年以降、「ゼブラ」の次期モデルやトヨタ向け受託生産の拡大が見込まれています。
生産規模は30万台へ達する可能性があり、中期的には同社の重要な成長の軸となる公算が高いと言えるでしょう。
ダイハツ工業にとって、インド市場への参入は重要な課題として残っています。
本来は、2008年を目処に「ブーン」ベースの車両でスズキが高いシェアを持つインド市場に挑戦する考えでした。
しかし、インドでは想定以上に過酷な競争が繰り広げられており、市場参入は現在棚上げされた状態となっています。
コスト競争力を高めた車両を持って、インド市場への参入を実現することは非常に重要な課題となります。
ダイハツ工業が持続的な成長を続けるためには、インドや中国市場での地位確立が強く望まれます。
三菱自動車は、三菱重工業の自動車事業部門がクライスラー(当時)の出資を受け、1970年に分離独立して誕生した比較的新しい歴史の会社です。
東京証券取引所への上場は1988年でした。
本格的な自動車生産を開始したのは分離独立後ですが、自動車製造の原点は1917年に製作に着手した日本初の量産乗用車「三菱A型」に遡る非常に古い歴史を持ちます。
独立後、中型乗用車「デイアマンテ」のヒット、「パジェロ」、「RVR」などリクリェーショナル・ビーグルの先駆者として、国内で破竹の成長を続けますが、海外での拡大戦略が裏目となり、米国、オーストラリア、タイ、オランダなどの海外事業が収益体質を大きく悪化させていきました。
さらに1990年代央以降、社会的なスキャンダルが続き、厳しい経営不振を迎えました。
米国におけるセクハラ問題や大幅な赤字体質、金融事業での不良資産問題などに加え、国内では総会屋問題、リコール隠しなどの社会問題が続きました。
また、戦略的に搭載を進めたガソリン直噴エンジンへの取り組みがコスト体質を悪化させ、その後、直噴エンジン100%戦略は転換を余儀なくされました。
2000年、ダイムラークライスラーとの資本提携に踏み切り、同社主導で事業再構築を進めました。
その一環として、2003年には商用車事業を切り離し、「三菱ふそうトラック・バス」を設立します。
しかし、2004年にダイムラークライスラーは突然、三菱自動車への支援打ち切りを決断、資本・業務提携の解消に動きます。
寝耳に水といった戦略パートナーの撤退を受け、三菱自動車は最大の経営危機を迎えることになりますが、三菱グループの総力を結集する形で、現在、抜本的な経営改革を推し進めています。
ダイムラークライスラーの突然の支援打ち切りと資本関係解消は、国際的な合従連衡の難しさと厳しさの両面を浮き彫りにしたという意味で大きな出来事でした。
プラットフォームや地域戦略など、ダイムラーグループ傘下での最適化を考えた長期戦略を実施している最中に放り出されることになったわけですから、三菱自動車は先の見えない大変な閉塞感に覆われたと思われます。
幸い、強力な三菱グループの最大の支援を「ヒト・モノ・カネ」で受け、再生に向けてチャレンジを続けています。
再生計画では、2007年度に740億円の営業利益確保と純利益段階での黒字体質の定着を狙います。
米国事業の再生とアジア市場での成長がドライバーとなります。
2006年を境に、新車投入も活発化していきますので、それら新型車の成否が重大な鍵を握ります。
日野自動車の創業は、ヂーゼル自動車工業から分離し、「日野重工業」として設立された1942年です。
当時は主に、陸軍用特殊車両を製造していました。
53年にはルノーと業務提携し、63年までルノー製乗用車を受託生産していましたが、69年以降は商用車メーカーに特化します。
1966年にトヨタ自動車と資本・業務提携構築に動き、2001年にトヨタ自動車の出資比率が51%超えて子会社となりました。
現在は、トヨタグループのパワートレイン部品事業をグローバルに支え、グループの商用車、大型トラック分野を担っています。
国内の普通トラック(積載4トン以上の中・大型トラッ列事業は、激しい需要変動と、大手4社がひしめく過酷な競争の中で消耗戦が続き、各社の財務体質は大幅な悪化を招きました。
日野自動車も例外ではなく、多額の負債を抱えた国内販売会社の連結対象化を受け、多重債務が表面化し、深刻な経営問題となりました。
トヨタ自動車は巨額の出資を実施し、トップ経営陣を送り込んで事業の再構築に取り組み、その後は大きな成果を生み出しています。
工場・販社の再編、新生産システムの導入、バス事業の切り離し、固定費の引き下げ、タイ事業の強化、米国事業の拡大などの施策を実施してきました。
しかし、重なる普通トラックへの規制対応特需もピークを過ぎ、国内の普通トラック需要は今後は長期的に漸減が続く可能性が高いと見られています。
一段と収益基盤を強化するためには、世界で通用するトラック事業の競争基盤強化を急ぐ必要があります。
国内の普通トラック需要は、首都圏におけるNOX・PM法による排ガス規制の強化やトラック走行規制による買い換え特需が持続し、国内全体需要(全需)は12万台前後の比較的良好なレベルが続いてきました。
こうした追い風の中、日野自動車を含めた各トラックメーカーは生産制限に近い繁忙が続いてきました。
に、まさに、成長を支えるものは海外需要をいかに取り込んでいくかにあります。
国内トラック需要に依存しない収益基盤の確立が急務です。
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